一般社団法人老人病研究会は、健やかな長寿社会を目指し、健康長寿Gold-QPD事業を実践する。


第7回認知症Gold-QPD育成講座の初日:一般有料公開講座
開催報告

公開講座:
日 程: 平成27年10月24日(土) 14:00~17:00
場 所: 日本医科大学同窓会 「橘桜会館」ホール
参加者: ブロンズブロンズコース参加者31名、一般参加者80名 計111名

来賓祝辞
後藤修司先生(全日本鍼灸学会会長・後藤学園理事長)
小林光俊先生(全国専修学校各種学校総連合会会長・敬心学園理事長)

基調講演 1:医学における鍼灸の役割と展望(質疑応答)
坂本 歩先生(日本東洋療法学校協会会長、呉竹学園理事長)

坂本歩先生

我が国の伝統医療の一つである鍼灸は、6世紀頃に伝来し、その後独自の発展を遂げてきたと考えられている。そして少なくとも江戸時代までは、漢方とともに日本における正統医学として位置づけられてきた。明治時代になって富国強兵に向けた施策があらゆる分野において布かれ、医療分野においても戦時医療により適した西欧諸国の医学が取り入れられ、日本の鍼灸は正統医学の地位を失うことになった。 しかしながら、先進諸国に共通した課題となっている慢性疾患の増加や超高齢社会における運動機能の低下あるいは介護や在宅医療の諸問題に対し、西洋医学一辺倒の医療体制では対応しきれない状況に直面している。翻って、鍼灸医療はその特質から健康の維持、向上ならびに疾病治療さらにはQOLの向上にも寄与することが期待されている。従って、現在の医療の中に鍼灸を取り入れることの必要性は高いと思量される。
一方、鍼灸のメカニズムに関する研究成果は数多くなされているが、臨床研究となると数種の症状に対する評価しかなく、鍼灸の守備範囲全般を肯定できる検証は十分ではない。それだけに鍼灸の効果は国民にも医療従事者にも十分に周知されていない。また、鍼灸を現代医療と併療したときのシナジー効果という視点も未だ不十分といえる。 今回の講演では、現在明らかになっている鍼灸医療のエビデンスを紹介すると共に今後の我が国の医療に鍼灸を如何に活用すべきかを私見としてお示ししたい 。

基調講演 2:認知症予防と治療の三焦鍼法 ~その最新情報と実技のデモンストレーション~
韓 景献先生(天津中医学大学教授、中国鍼灸学会脳病科学専門委員会 委員長)

認知症予防と治療の三焦鍼法

韓教授は、三焦鍼法を開発した経緯を紹介した。ベースには、老年者の健康長寿である。SAMマウス(早老モデル)を用いた動物実験は、英文で発表している。臨床研究では、脳や骨の加齢に伴う疾患で、幅広く行われている。特に認知症では、脳血管性認知症やアルツハイマー性認知賞の両方に充分な有用性が示されている。又、最近の研究では、認知症治療薬のアリセプトと三焦鍼法との比較や併用結果も紹介された。
続いてボランティアに対して、三焦鍼法の施術のデモンストレーションが行われた。110名以上の参加者に充分見学が出来るよう、ビデオが撮られ、大きなスクリーンに映し出された。そのため、韓先生の鍼の打ち方、捻転の仕方などを充分観ることが出来た。

会場

会の終了後、参加者で意見交換会を兼ねた懇親会が持たれました。

懇親会



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